さっちゃんへ

さっちゃんへ

おはようございます。
いつもさっちゃんのブログを拝見しています。

不思議なお話って、なんでこんなに面白いんでしょうね?
私も人生の中で、何度か不思議なことに出くわしました。
その度に思うのが、「こんな不思議なことが起こるなんて、私は特別かもしれない!」という勘違いです(笑)
普通に考えたらありえないことや、パズルのピースが一気にはまっていくようなタイミングの良さや、後から気が付く不思議も。
そういうことが起こると、実は私は特別なんじゃないかと思えるのです。
特別と思わせてくれる何かが、人生のちょっとした楽しみを分けてくれているように思っています。

さっちゃんのブログは、登場人物の皆さんが、苦しんだり悲しんだりしながらも、不思議なことに励まされて前向きに生きていくところがとても好きです。
実はね、私もその登場人物である野田さんに救われた一人なんですよ。
ちょっとショッキングなお話もありますので、無理せずゆっくりお読みいただけますと幸いです。

*****

私には、もう何年も前から多くの人に伝えたいことがあります。
簡単に言えば、出産前後(周産期)の母子についての知識を多くの人に知ってほしい、ということです。
そして、子供の育ちは自然と一体になる重要性についてもです。
それに関する、教育をしっかりしてほしい。それをたくさんの方に伝えたいと切望しています。

けれどそれは思っていても、どうしても原稿になっていかないのです。
話すことはできる。そしてそれはちゃんと伝わる。でも、文章にすると何故か書けない。
そんな状況が数年続いたので、私は書くことをあきらめました。
私が思っていることを伝えるには、ひたすら私の考えを話すほうが手っ取り早いと。
書けないのならしゃべればいい。そう思っていました。

でも、何度も何度も書こうとして書けずにいたことを、無理やりにでも文章という形にするきっかけを作ってくれたのが、野田さんでした。
子育てについてのお話って、伝え方を間違えると反感を買いやすかったりします。
特に周産期のことについては、トラウマに感じる方も多いので、伝え方には苦労します。
さて、どうしよう?と悩んでいた時に、野田さんにお会いすることができました。(これも奇跡です!)
野田さんは私に、「物語を書いてみてください」と仰いました。
びっくりしましたよ。ビジネスじゃない文章を書くことになるなんて、思ってもいませんでしたから。
確かに、物語という形をとれば、反感を買わずにすんなり受け入れてくださる方も多そう・・・そう思い、原稿を書くことにしました。

でも、そんなに簡単ではありませんでしたよ。
伝えたい内容が幅広すぎて、先ずは私の中での整理が必要でした。
この際、読み手のことは考えずにできるだけ形にする、とにかくまとめる、書ききる!そこに注力することにしました。

もう一つ、原稿を絶対に完成させるためのモチベーションとして、私は野田さんにあるお願いをすることにしたんです。
それはずっと気になっていて、でもどうにもできなかった、交差点の男の子を助けてもらうことでした。

娘が幼稚園に上がる前のこと、小学校前の大きな交差点で小学校2年生の男の子が交通事故で亡くなりました。
一度、交差点を渡ったのに、誰かに呼ばれて引き返してしまい、大型トラックにひかれてしまったそうです。

小学校の登下校時に、横断歩道で見守りしてくださる方って必ずいましたよね。
しかし、その小学校ができて数年、交差点の見守りは誰もしていませんでした。
そんな中で起こった事故だったので、保護者全員はっとしたと思います。
今までPTAはあっても、活動なんて不要だとの論調が多かった小学校ですが、そのタイミングでPTAの重要性の議論が盛り上がりました。
それからシルバーの方たちのご協力で見守りをしていただけることになり、保護者も率先して見守りをするようになりました。
お子さんを亡くした親御さんは、交通安全活動の旗振り役として活動を始められました。
地域でも、交通安全部会という団体が立ち上がり、地域の交通安全を話し合うようになりました。

それなのに、それから2年後くらいから、その交差点での交通事故が多発するようになりました。
横断中の人が巻き込まれることはなかったように思いますが、車がありえない形で中央分離帯にぶつかっていたり、車同士が衝突したりする事故です。
その交差点はとても見晴らしのいい交差点で、事故が起こるなんて想像しにくい場所なのにです。
それからも自動車の衝突事故が後を絶ちませんでした。私もそこで何度も事故を目撃することになります。

同時に、私に不思議なことが起こり始めました。6月と12月にその交差点を通ると胸が苦しくなり、なぜかその死亡事故のことを思い出すのです。
私はいわゆる霊などを見たことはありません。でも、6月と、12月のクリスマスには家に帰りたいと訴えているような、はっきりとした感覚があったのです。
その子のことは話にしか聞いていません。会ったこともありませんでしたので、私は事故で亡くなった子とお子さんが同級生だった友人にそのことを聞いてみたところ、6月は命日だと教えてくれました。

そこまでわかっても、私には成す術がありませんでした。
見えていませんし、聞こえてもいません。
ただただ胸が苦しくなって、帰りたいとの思いが伝わってはくるものの、そんなこと人に言っても伝わるかどうか…。
私が一人もやもやと悩んでいる間に、ご遺族が引っ越してしまったと聞きました。交通安全活動もやめてしまったそうです。どうも、活動するたびに思い出してしまうのが辛かったようです。
とある本で、親が迎えに行き、声をかければ一緒に帰れるらしいと知りましたが、傷つき疲れたご遺族にそんなことを伝えられるわけもありません。
でも毎年毎年、その子からの訴えは強くなります。私は途方にくれていたのです。

もしかしたら、野田さんなら男の子を助けてくれるかもしれないと、野田さんにお会いした時から思ってはいました。
野田さんが羅針盤という本を書いていたのも知っていましたが、その活動はとっくにやめていらっしゃったので、お願いするのは躊躇しました。
でも、私が原稿を書き上げたら、(勝手に)そのご褒美としてお願いしてみよう!そう決めたのです。
その時、既に12月でした。友人に話をしたら、クリスマス間近だねと言われてはっとしました。
絶対に、男の子をクリスマスまでに、お父さん、お母さんに会わせてあげたい!と、実際は本当かどうかわからないけれど、それでも信じて頑張ることにしました。

今まで手付かずだった原稿を完成させるのは、とても大変でした。
途中でどうにも進まなかったときに、タイミングよく音声入力を教えてくださった方がいて、かなり進めることができたりもしました!
家族も、家事を全て放り投げて頑張る私を応援してくれました。
いろいろな助けがあり、結果、2019年12月24日の深夜に、読みにくい7万字の原稿が完成しました。
何はともあれ、完成したのです!

そして、下記が実際の野田さんとのやり取りです。
野田さん、勝手に転載してごめんなさい。

『お疲れのところ、大変申し訳ありませんが、図々しくもご褒美に、叶えてほしいお願いがあります。
そのために今日、がんばりました。何卒・・・

(野田さんご了承のスタンプ)

ありがとうございます!

6年前、○○小学校前の交差点で、交通事故で亡くなった男の子がいます。
その子が、どうやらまだ迷っているようです。

本来ならば、お母さんに迎えに来てもらうのが一番いいのですが、私はお母さんと面識もなく、連絡もできませんでした。
でも、この5年間、いつも6月と12月(クリスマス前)に気になるのです。
6月4日が命日で、12月はどうやらクリスマスを楽しみにしていたようです。
帰りたいようです。
私は、なんとなくはわかりますが、はっきり見えるわけではなく、あ、でも今見えちゃいましたが、私は何もできません。

(このタイミングで、パソコンを打つ私の足元に男の子が机の下で体育座りしながら私を見上げてくるビジョンが見えました…)

そこでお願いです。
神様に、○○くんをご両親の夢に出し、そして行くべきところへ送ってあげてほしいのです。
お伝えいただけますでしょうか。

人間のことは頑張りますが、あちらの世界のことはお手上げです。
せっかくのクリスマスです。何とかしてあげたい。
神様にお伝えいただくだけで結構です。

もちろん、野田さんには断る権利がありますので、遠慮なく仰って下さい。』

そう、お伝えしたところ、

『やってみます。

夢に出せるかどうかはわかりませんが、、』

と、ご快諾いただいたんです!
いやー、狂喜乱舞しましたよ。よかったね!帰れるね!メリークリスマス!!!

そしてその後、その交差点で交通事故が起こることはなくなりました。
今、その子のことを頭に思い浮かべると、笑顔が浮かぶのでもう大丈夫なのでしょう。
一つ気がかりなのは、ご両親の夢に出られたかな、ということ。
ご両親もつらかったと思います。少しでも傷が癒えていますように、今も心から祈っています。

さて、私は完成した達成感でとりあえずいいお正月を迎えることができました。
しかしこれは終わりではなかったのです…。

一度は全て書き終えた気がしていましたが、後で読み返すとそれはそれはひどいものでした(笑)
読める文章と読めない文章が混在しており、人様に読ませられるようなものではなかったのです。
私が完成させた原稿は、これから私が書く物語のひとつのスタートだったと知って、愕然としました。

それから、野田さんとのやり取りをしながら、何かと文章を書くことは続けていました。
でもやっぱりスランプなんですよ。
ちょっとだけ書けた!と思えるものもできましたが、完成してはいません。
私は何を書き続けるのか、そう思い続けていました。

そしたらね、福井のみーちゃんから、さっちゃんのブログを応援してほしいとご連絡をいただいたんです。
最初は正直複雑な思いでいましたが、さっちゃんの書く文章を読んで、全力で応援することに決めました。
だって、本当にすごいんだもの(尊敬!)
何が凄いって、これを表現するのは難しいんですけど、さっちゃんの紡ぎだす文章には、読み手の心を震わせて共振させる力がある、といったところでしょうか。

それに気付いたんです。
さっちゃんの書くラジオドラマのシナリオを読みながら、「あ、これは私につながる物語だ。」と。
そしてこれを読む、すべての人がそのドラマの続きを演じていくのだと。
特に福井のみーちゃんは、たくさんの人を繋ぎながらこの物語を動かしていくキーパーソンだということも。

私はこれからまだまだ続くこの物語を、心から楽しみにしています。